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折敷瀬クレーンの雑学講座

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皆さんこんにちは!

折敷瀬クレーン、更新担当の中西です!

 

~計画7割・当日3割~

 

荷の重さ/重心/吊り角度/地面の強さ/風——この5点を押さえれば、現場は格段に安全でスムーズになります。ここでは初めて依頼する発注者・現場担当者向け**に、準備→当日→見積り→チェックリストまで一気通貫で解説します。


1|クレーンの種類と“得意な現場”

  • ラフテレーンクレーン(ラフター):狭所・機動力◎。短時間“タクシー稼働”に最適。

  • オールテレーンクレーン:長ブーム&高所・大物。道路走行と現場性能の両立。

  • クローラクレーン:軟弱地盤や長期据置に。ジブ構成が多彩。

  • タワークレーン:高層・長期。組立・解体計画が肝。

  • トラッククレーン:移動・設置が軽快。中小物件に。

現場の最狭通路・設置スペース・リフト高・荷重で機種を絞り込みます。


2|吊り計画のコア

  • 荷重と重心:図面・仕様・現物で質量と重心位置を確認。試し吊りで微修正。

  • 吊り角度と張力:2点吊りは張力 ≒ 荷重÷(2×cosθ)。角度が小さいほど張力↑

  • アウトリガーと地耐力設置反力→敷板/マットで分散。沈下はNG。

  • 荷重表(Load Chart)ブーム長×作業半径で許容荷重を確認。余裕をもって選定。

  • 風と天候メーカー指示の限界風速を順守。晴れでもビル風に要注意


3|玉掛け・合図の“基本形”

  • スリング/WLL:表示荷重(WLL)を超えない。角荷重にはコーナープロテクタ

  • ワイヤロープ点検:素線切れ・径減少・潰れ・錆は即交換。

  • シャックル:ピンの向き・座り・サイズを吊具側に合わせる

  • フック喉開きラッチを確認。

  • タグライン(曳き縄)回転・振れ止めに必須。

  • 合図者の一本化:無線/ハンドサインは指揮者1名に集約。


4|当日の流れ(標準)

  1. KY・役割確認(オペ・合図・玉掛・交通誘導)

  2. 設置:アウトリガー水平・接地養生・境界バリケード

  3. 試し吊り10〜20cm浮かせてバランス確認→本吊りへ

  4. 吊り上げ→旋回→据付荷の下立入禁止・速度は一定

  5. 撤収:資材回収・周辺清掃・最終点検

ブラインドリフト(見えない位置への据付)はカメラ/無線/補助員で可視化を。


5|特殊作業のツボ

  • タンデムリフト指揮者1名/負荷分担の事前計算/速度同期。吊点距離を固定し“引っ張り合い”を回避。

  • 夜間作業:足元・荷位置・合図者の照度を確保。近隣騒音にも配慮。

  • 電線近接接近限界の遵守。監視員を専任配置。


6|“あるある”トラブルと回避策

  • 吊り角が攻め過ぎスリング延長 or 吊点位置変更で角度を稼ぐ

  • 沈下・水平不良敷板追加/地盤再確認

  • 荷の回転・振れタグライン+風待ち

  • 二次災害(荷の接触)立入禁止帯と誘導員で分離


7|見積りの読み方

  • 機種/能力/ブーム・ジブ長カウンタ重量

  • 輸送・組解体費養生(敷板/マット)

  • 玉掛・合図要員道路占用/交通誘導

  • 待機料・夜間/休日割増下見費諸経費
    → **「何が含まれ、何が別途か」**を明確にして比較しましょう。


8|発注前チェックリスト

[ ] 荷重・重心・吊点/据付位置の明示
[ ] 最狭通路・設置スペース・上空障害
[ ] 地耐力・敷板可否・地下埋設物
[ ] 近接電線・道路占用・近隣時間帯
[ ] 風基準・雨天判断・予備日
[ ] 連絡体制(現場責任者・緊急連絡)


まとめ

クレーン工事は数値で準備→当日は落ち着いて“合図一本化”
安全=生産性です。計画と段取りで、現場の“速く・安全に・美しく”を実現しましょう。

 

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