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日別アーカイブ: 2025年11月12日

折敷瀬クレーンの雑学講座

皆さんこんにちは!

折敷瀬クレーン、更新担当の中西です!

 

~クレーン工事における「吊り計画」と荷重計算~

 

 

吊り上げ作業の核心は、荷重とバランスの制御である。
クレーン工事において、重量計算・重心把握・吊点設計を誤ると、どんな高性能機でも一瞬で事故に至る。ここでは「吊り計画」と「荷重計算」の基本を整理する。

吊り計画とは

吊り計画とは、吊り上げ対象物を安全に所定位置へ移動するための設計図である。
単に吊る位置を決めるだけでなく、下記の要素を全て数値化・図面化する。

  • 吊荷重量と重心位置

  • クレーンブーム角度・作業半径

  • アウトリガー反力と地耐力

  • ワイヤスリングの角度と許容荷重

  • 玉掛け具の選定(シャックル・フック・スリングベルト等)

  • 作業環境条件(風速・障害物・電線・周囲交通)

これらを一枚の施工計画書に落とし込み、全員が共有することで安全性が担保される。

荷重計算の考え方

クレーンの吊上げ能力は、作業半径が大きくなるほど低下する。
例えば、25tラフタークレーンでも、ブーム長やジブ角度次第で実際に吊れる重量は10t以下になることもある。
このため、吊荷+吊具+ワイヤ+回転モーメントを総合的に評価し、安全率(通常1.25〜1.5倍)を考慮して機種選定を行う。

また、ワイヤロープの許容荷重は「角度補正」が必要である。
吊角が60度を超えると張力が急増するため、角度はできる限り小さく取る設計が求められる。

重心の把握

重量物の吊りでは「重心を外す」ことが最も危険である。
鉄骨梁・機械設備などは、形状や内部構造により見た目の中心と重心が一致しない。
吊点位置を誤ると、吊り上げた瞬間に荷が傾き、玉掛け具が破断する恐れがある。
事前に図面や現物計測で重量配分を確認し、吊り試験で微調整することが鉄則である。

計画と現場の融合

計算通りに吊れるとは限らない。現場では風向き・振動・地盤変位など動的要因が加わる。
だからこそ、経験を持つオペレーターの感覚と理論を融合させることが、安全施工の鍵となる。

 

 

 
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