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月別アーカイブ: 2025年8月

折敷瀬クレーンの雑学講座

皆さんこんにちは!

折敷瀬クレーン、更新担当の中西です!

 

~“選ばれるクレーン会社”~

 

短工期・狭所・強風・複雑リギング。勝ち筋は「標準(A4)×段取り(分単位)×データ(DX)×安全(EHS)」です。ここでは所長・工務・安全担当向けに、見積→計画→施工→品質→保全を強くする“実装の型”を共有します。


1|A4一枚の“現場標準”

  • SOP:設置・アウトリガー・玉掛け・合図・ブラインド/タンデム・撤収を写真&NG例付きでA4化。

  • 限界値カード風速・作業半径・張力・接近距離の停止基準を車両ごとに掲示。

  • 写真基準設置→試し吊り→据付→撤収の必須カットを統一


2|3D吊り計画&接地圧の“見える化”

  • BIM/CIMや点群干渉チェック。旋回・ブーム角・ジブ干渉を事前解決。

  • 接地圧ヒートマップ敷板枚数・厚みを最適化。

  • 風シミュレーション(地形・建物)で停止判断を明確に


3|原価とタクトの設計

  • タクシー vs 据置を分ける。組解体時間・輸送台数・補助員分単位で見積。

  • 標準リギングキット(スリング長×本数、シャックル、スプレッダ)を定義→探す時間ゼロ

  • 予備日・風待ち率を計画段階で反映し遅延を“予算化”


4|EHS:人・荷・電路を守る

  • 荷の下立入禁止の実線区画、監視員の固定配置。

  • 電路近接:接近限界+監視員×警報(A2B・LMI)で多重防護。

  • 落下・脱落防止:二次懸垂・工具落下対策・タグライン必須化。

  • 夜間:照度管理・騒音計測・近隣案内(掲示/チラシ)。


5|設備保全:止めないメンテ

  • 日常・月次・年次の点検表をデジタル化。

  • ワイヤロープ廃却基準(素線切れ本数/ピッチ・径減少・腐食)を写真付きで教育。

  • フック喉開き・ラッチ・摩耗の閾値管理。

  • 油圧油分析とフィルタ交換の実績管理。

  • 計測器:LMI/角度計/荷重計を年次校正


6|教育90日プログラム(例)

  • Day1–7:SOP/合図/無線/安全帯・ヘルメット・手袋の基準

  • Day8–30:設置・水平出し・接地圧計算の基礎、玉掛け実技

  • Day31–60:ブラインド/タンデム・電路近接・夜間の運用

  • Day61–90:小隊リーダー・リギング設計・8D是正の実践


7|DXで“迷わない・探さない・止めない”

  • 点検アプリ:写真・トルク・交換履歴をクラウド保存。

  • LMIデータ連携:作業半径/荷重履歴→逸脱検知

  • 電子KY/日報:現場で入力→翌朝ダッシュボード

  • ポータル計画図・荷重表・接地圧計算書・写真台帳を顧客と共有


8|KPIダッシュボード(例)

  • 一次合格率/再手直し率

  • 風停止率/遅延時間

  • 稼働率/待機率

  • 無事故日数/ヒヤリ報告数(提出率)

  • 見積→受注率/粗利率
    週15分レビューで「数字→原因→次手→担当→期限」。


9|“30日で変える”改善ロードマップ

  • Day1–7:A4 SOP・限界値カード・写真基準の掲示

  • Day8–14:3D吊り計画の最小導入/接地圧テンプレ運用

  • Day15–21:点検アプリ本格運用/LMIログの取得開始

  • Day22–30:KPIダッシュボード公開/週次8Dレビュー


10|発注者への“見える提案”

  • 一枚図:機種・ブーム・半径・据付位置・交通誘導動線

  • 接地圧計算書敷板配置図

  • 風停止基準・代替日

  • 安全計画:立入禁止帯・合図体制・近隣配慮

  • 見積内訳:含む/別途の境界を明確化


まとめ

“選ばれる会社”は、標準化(A4)×EHS×DX同じ良さを速く繰り返します。
計画で勝ち、当日は落ち着いて淡々と。 その積み重ねが、無事故と信頼、そして利益を生みます。

 

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折敷瀬クレーンの雑学講座

皆さんこんにちは!

折敷瀬クレーン、更新担当の中西です!

 

~計画7割・当日3割~

 

荷の重さ/重心/吊り角度/地面の強さ/風——この5点を押さえれば、現場は格段に安全でスムーズになります。ここでは初めて依頼する発注者・現場担当者向け**に、準備→当日→見積り→チェックリストまで一気通貫で解説します。


1|クレーンの種類と“得意な現場”

  • ラフテレーンクレーン(ラフター):狭所・機動力◎。短時間“タクシー稼働”に最適。

  • オールテレーンクレーン:長ブーム&高所・大物。道路走行と現場性能の両立。

  • クローラクレーン:軟弱地盤や長期据置に。ジブ構成が多彩。

  • タワークレーン:高層・長期。組立・解体計画が肝。

  • トラッククレーン:移動・設置が軽快。中小物件に。

現場の最狭通路・設置スペース・リフト高・荷重で機種を絞り込みます。


2|吊り計画のコア

  • 荷重と重心:図面・仕様・現物で質量と重心位置を確認。試し吊りで微修正。

  • 吊り角度と張力:2点吊りは張力 ≒ 荷重÷(2×cosθ)。角度が小さいほど張力↑

  • アウトリガーと地耐力設置反力→敷板/マットで分散。沈下はNG。

  • 荷重表(Load Chart)ブーム長×作業半径で許容荷重を確認。余裕をもって選定。

  • 風と天候メーカー指示の限界風速を順守。晴れでもビル風に要注意


3|玉掛け・合図の“基本形”

  • スリング/WLL:表示荷重(WLL)を超えない。角荷重にはコーナープロテクタ

  • ワイヤロープ点検:素線切れ・径減少・潰れ・錆は即交換。

  • シャックル:ピンの向き・座り・サイズを吊具側に合わせる

  • フック喉開きラッチを確認。

  • タグライン(曳き縄)回転・振れ止めに必須。

  • 合図者の一本化:無線/ハンドサインは指揮者1名に集約。


4|当日の流れ(標準)

  1. KY・役割確認(オペ・合図・玉掛・交通誘導)

  2. 設置:アウトリガー水平・接地養生・境界バリケード

  3. 試し吊り10〜20cm浮かせてバランス確認→本吊りへ

  4. 吊り上げ→旋回→据付荷の下立入禁止・速度は一定

  5. 撤収:資材回収・周辺清掃・最終点検

ブラインドリフト(見えない位置への据付)はカメラ/無線/補助員で可視化を。


5|特殊作業のツボ

  • タンデムリフト指揮者1名/負荷分担の事前計算/速度同期。吊点距離を固定し“引っ張り合い”を回避。

  • 夜間作業:足元・荷位置・合図者の照度を確保。近隣騒音にも配慮。

  • 電線近接接近限界の遵守。監視員を専任配置。


6|“あるある”トラブルと回避策

  • 吊り角が攻め過ぎスリング延長 or 吊点位置変更で角度を稼ぐ

  • 沈下・水平不良敷板追加/地盤再確認

  • 荷の回転・振れタグライン+風待ち

  • 二次災害(荷の接触)立入禁止帯と誘導員で分離


7|見積りの読み方

  • 機種/能力/ブーム・ジブ長カウンタ重量

  • 輸送・組解体費養生(敷板/マット)

  • 玉掛・合図要員道路占用/交通誘導

  • 待機料・夜間/休日割増下見費諸経費
    → **「何が含まれ、何が別途か」**を明確にして比較しましょう。


8|発注前チェックリスト

[ ] 荷重・重心・吊点/据付位置の明示
[ ] 最狭通路・設置スペース・上空障害
[ ] 地耐力・敷板可否・地下埋設物
[ ] 近接電線・道路占用・近隣時間帯
[ ] 風基準・雨天判断・予備日
[ ] 連絡体制(現場責任者・緊急連絡)


まとめ

クレーン工事は数値で準備→当日は落ち着いて“合図一本化”
安全=生産性です。計画と段取りで、現場の“速く・安全に・美しく”を実現しましょう。

 

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